こんにちは♪育休先生、NIKE(@ny_lifework)です。
特別支援学校の教員をしています。
育休が終わり、職場に復帰したら、復帰前と担当学部、分掌とも変わって(理不尽な人事、とかではないです。)、落ち着かない日々を過ごしております 笑
私の住む東北地方でも桜が咲き始め、いよいよ春がきた♪という実感がしてきましたね。
暖かくなると、お散歩に出かける日も多くなるかと思いますが、
「コースも行く場所もありきたりになっちゃって、マンネリ化してる…。」
「もっと子どもたちと楽しく散歩したい♪」
「せっかくなら、子どもにいい効果があるような散歩の工夫なんてないの?」
なんてことを思ったりしませんか?
この記事では、そんな状況を、“お子さんのことばの世界を広げる”という視点で解決する方法を考えてみました♪
具体的に、どんな方法があるの?とか、気をつけることはないの?ということにも触れていきますので、よかったら気になるところだけでも読んでみてくださいね♪
ちなみに、この記事は、
パパ育コミュ@ブログ部における「ブログ駅伝」の活動として、今月のテーマ「春に“ぴったり“、お外遊びの工夫」に沿って記事を執筆します。」に沿って記事を執筆します。
私が所属するBチームの走者は以下の通りです。
第1区 シカゴリラさん 【東京で子供と野良仕事】春の畑の準備編
第2区 B型パパさん 【2歳児と追いかけっこ もっと楽しむ工夫】
第3区 育休先生【お散歩で広がることばの世界♪〜お子さんのことばの習得ための工夫〜】←この記事です
第4区 オトダンさん 【【子どもと遊ぶ】春の外遊びを楽しくさせて、普段でも活躍する道具3選】
第5区 まるげりさん 【春にしかできない遊びをしよう 〜春の植物を使った遊び6選〜】
本記事では、以下の内容をお話ししていきます。
目次
この記事を書いている私は、
特別支援学校教員歴11年目。幼稚部(4年)→高等部(1年)→小学部(5年)→中学部(今年1年目)という経歴です。特別支援学校に存在する学部全てコンプリート!(だから何?)
ことばの習得に重きが置かれる、聴覚障害の幼児担当の経験があります。
2020年4月から1年間、育児休業を取得。世の中の当然のようにワンオペで育児をされているお母さん、お父さんの凄さを実感しました。
そして、現在3歳と0歳2児の父。週末に数多く子どもたちと出かけて楽しんでいる現役のお父さんです。
あまりかたくならずに、ゆるっとお話ししていきます♪
1.お散歩は、お子さんのことばの世界を広げるとっておきの教材!
たががお散歩、されどお散歩 。お散歩はそれ一つで結構すごい教材になり得ると思っています。
散歩を通じてお子さんのことばの世界を広げてあげることができる。
お散歩をしている時って、おそらくお子さんと何かしらお話ししながら歩いていますよね?
多分、無言でスタスタと歩き続ける方ってまずいらっしゃらないと思います。
何気なく交わしている会話をちょっと意識してみてみると、実はいろいろなテーマで会話しているのではないでしょうか?
「いい天気だねえ♪」
「お花が咲いてるよ♪」
「あ、ワンワン!」
などなど、お子さんから何か伝えてくることもあれば、お母さんお父さんから話しかけることもあるでしょう。
上のたった3つの発言の中にも、サラッとみるだけで、
- 天気、気候のおはなし → 晴れていることを「天気がいい」と表現するということ
- 「お花」という名詞と、「咲く」という動詞
- 犬を「ワンワン」という赤ちゃん表現している
などのことばの要素が詰まっています。
これらは、そのままでも十分楽しい会話ですが、お子さんの年齢や、新しい表現を広げようと考えると、こんな工夫もできそうではないですか?
「いい天気だねえ♪」をいろいろ広げてみると、
→「おひさま、まぶしいね♪」「空が真っ青だねえ♪」「雲がほとんどない晴れは快晴っていうんだよ♪」
光が眩しいこと、「真っ青」や「快晴」なんて表現も教えてあげられそうです。
「お花が咲いてるよ♪」をいろいろ広げてみると、
→「たんぽぽがさいてるね♪」「赤いチューリップだね♪」「桜がそろそろ満開だね♪」
など、お花の名前や色、「満開」という咲き具合にも目が向けられそうです。
「あ、ワンワン!」をいろいろ広げてみると、
→「かわいいねえ♪」「おっきいワンワンだね♪」「うちのポチと同じ色だね♪」
など、かわいい(感じ方は人それぞれではありますが…)という特徴や、大きさ、「〜と同じ」などの言い方も教えてあげられそうです。
こんな感じで、普段の会話の中でも実はいろいろなことばを学ぶチャンスがあって、お子さんたちは知らず知らずのうちに覚えていっているのです。
歩いているといろいろなものが目に入るお散歩は、実はことばのひろがりを手伝ってくれるとってもいい教材で、おとながちょっと意識してあげることで、どんどん新しい表現に触れさせてあげることができるとってもいい機会になるんですね♪
この後は、具体的にどんなところに気をつけるといいかお話ししていきます。
2.ことばを伝える時に大事なこと
まずは、お子さんとお話しするときに大事だなあ、と思うところをいくつかお話しします。
2−1.お父さん、お母さんの声がけが大事
当たり前と言えば当たり前ですが、一緒に散歩をするお父さんやお母さんの声がけがとっても大事です。
どれだけお子さんが、気づいたことや発見したものを訴えても、
「へえ。」
とか、
「そうだねー。」
と返すだけでは、ことばを身につけるお手伝いはできませんし、だんだんお子さんも話しかけようという気持ちがなくなっていくことでしょう。
「どうせ話しても聞いてくれないし…。」
なんて思われちゃったら、ことばの前に親子関係に亀裂が走ってしまいます。
お子さんのことばの世界を広げる、というテーマでお話ししていますが、まずはお子さんからの発信にはきちんと耳を傾けて、何かしら返してあげましょう♪
下手に、「ことばを教えよう!」と気負わず、楽しく会話して、お子さんがどんどん話したい!と思うことが一番大事です。
2−2.その時に覚えなくてもいいんです
ことばを身につけさせたいと思うと、どうしても早く覚えて欲しくなって、マネさせたり、言い直させたりしたくなるかもしれません。
ですが、ことばのお勉強に偏ってしまうと、せっかくのお散歩そのものの楽しさが失われてしまうかもしれません。
大きくなれば聞いてすぐ真似ができて、その場で覚えられるようになると思います。
ですが、まだまだ小さくてしゃべり方もおぼつかないようなお子さんであれば、なかなか一発で覚えるというのは難しいと思います。
でも、それでいいんです。
ことばは、何度も繰り返し耳にして覚えていきます。同じようなものを見たり、同じような状況に遭遇した時に同じような話をされることで、
「あ、これはこういう名前なんだ!」
とか、
「こういう時はこう言うのか♪」
という感じで身につけていきます。
繰り返し、お話ししてあげましょう♪
2−3.お子さんが見ていること
“見ている”とは、お話ししているもの、例えば道端のお花の話をしているならお花を見ているかどうかです。
同じものを見ているかどうかは、お話ししている内容と、お子さんの興味が合っているかどうかと言う意味で重要です。
せっかく話しかけていても、実はお子さんが全然別のものに興味を示しているような状況だと、お子さんの想いとはズレた会話になってしまうかもしれません。
もちろん、小さいお子さんの興味関心を完璧に掴むのは難しいので、お子さんの伝えたいことがわからなかったり、ちょっとズレた返事をしてしまうことがあります。
なので、あまり神経質になる必要はないですが、お子さんの目線や仕草、発言を観察してみるといいと思います。
3.具体的なことばの世界の広げ方
ここからは10種類の具体例を出して、ことばの世界の広げ方をお話しします。
3-1.ものの名前
一番わかりやすいですね♪道を歩いていればいろいろなものが目に入ります。
乗り物、生き物、植物、遊具、などなど。
当然それぞれに名前があり、目についたものの名前を教えてあげる、というのはみなさんやってらっしゃるのではないでしょうか?
目に入った全てのものを教えてあげる必要はありませんが、お子さんが興味のありそうなもの、以前見て知っているものなどを選んで伝えてあげましょう。
3-2.色のなまえ
色に興味が出てきたお子さんは、いろいろな色を探しながら歩いたりしても楽しいと思います。
見つけた色を指差しながら、
「みどり!」「あか!」
と声に出して楽しめるかと思います。
ものの名前も覚えてきていたら、
「きいろいお花だね♪」「あおい車だね♪」
など、ものの名前と組み合わせると、ちょっとレベルアップできます。
3-3.形のなまえ
色と同じような感じで、形がわかってきたお子さんには、形探しなんかも楽しそうです♪
「まる!」「さんかく!」「しかく!」
と指差し確認。
「まるいタイヤだね♪(ぜんぶじゃん、というツッコミはなしで 笑)」「」
3-4.動きのことば(動詞)
ものの名前と違って、動きの言葉はそれ単品ではなかなか伝えにくいところがあります。
突然、
「とんでいるね!」
と言われたら、
「なにが?」
と返したくなるように、“何が”動いているのか?という、動いているものの名前とセットで使うことが多いです。
なので、伝える時には、
「鳥さんがとんでいるね♪」
のように、伝えてあげましょう。
また、
「ひこーき!」
と言う感じで、お子さんが指差していたら、それは飛んでいることも合わせて伝えてきている可能性があります。
そういう時は、ぜひ「ひこうき、とんでるね♪」のように、動きのことばもセットで返してあげましょう♪
3-5.天気や気候のことば
これは、お散歩ならではと言えるのではないでしょうか。
外を歩いていれば、天気や空模様、風が吹いたり、暑さ寒さなど、気候を肌で感じることができます。
「ぽかぽかあったかいね♪」
とか、
「風がびゅうびゅうふいて、寒いね…」(もはや散歩に行かないほうがいい? 笑)
など、いろいろな表現ができます。
単純に、晴れ、雨、くもりなど、天気の名前を覚える機会にもなります。
また、
「今日はちょっと寒いからジャンバーを着よう。」
など、気候に合わせた衣服の調節なども合わせて伝えられるのもいいところです。
3-6.数や量に関することば
数字を覚えると、なんでも数えたくなるのが子どもの性ではないでしょうか 笑
うちの娘も何かと数えています。
見つけたお花の数でもいいですし、階段の段を数えながら登ってもいいでしょう。
お子さんがまだ覚えていない大きな数字は、興味がありそうなら大人が声に出して数えて聞かせてあげると良いです。
自然と覚えていくと思います。
また、“いっぱい”、“すこし”などの量に関する言い方も伝えてあげられそうですね。
空に群れをなして飛ぶ鳥や、走っている車は数えなくていいです 笑
3-7.服装に関することば
散歩中、というか出かける前のことになりますが、衣服についても伝えてあげられそうです。
晴れていても、前日の雨で足元が悪い、なんてことはしばしばです。
そんな時は、
「道がぐちゃぐちゃだから、長靴を履こうか♪」
と誘えば、「長靴」という名前や、「ぐちゃぐちゃ」という状態を表すことば、「履く」という動きのことばに触れることができます。
「きょうはおひさまが眩しいから、帽子を被ろうか?」
なんていうのもいいですね♪
3-8.季節に関することば
春、夏、秋、冬という季節の名前はもちろん、その時期特有の表現なんていうのもあります。
「あたたかくなったから、お花がたくさん咲いたね♪はるだねえ。」
なんていう話をすれば、
「あ、お花は暖かくなると咲くのか。」
とか、
「春は暖かいんだなあ♪」
などと気づくかもしれません。
また、お店などの前を通った時に、
「スイカがある!夏だねえ♪」
なんていうように、季節の旬のものなどに注目するのも良いでしょう。
3-9.お店の名前、種類
これはもうちょっと生活密着型、という感じですかね。
よく行くお店は、看板などで覚えやすいです。
「イオン!」
なんてうちの娘はよく言います♪
名前もいいですが、ついでにお店の種類(業種?)も伝えると、どんなお仕事をしているのか、ということにも繋げられます。
「床屋さんだね、髪を切るんだよ♪」(美容室でもいいですけど)
などと伝えてあげれば会話が広がりそうです。
また、以前の経験と照らし合わせて、
「病院、前に行ったね♪おなかもしもししたね♪」
などと伝えると、自分の経験をさかのぼって考える力もつくと思います。
3-10.準備のことば
さっきの服装のところと少し重なりますが、準備する時にもいろいろなことばに触れることができます。
お茶やちょっとしたおやつ、シャボン玉などの遊び道具を持っていくことがあるのではないでしょうか?
「おやつ、何か持っていく?」
とか、
「お茶をリュックに入れてね♪」
など準備をお子さんと一緒にやると、持っていくものの名前、“リュック”などのもちものの名前、“入れる”という動詞などいろいろなことばに触れることができます。
また、ちょっとことばとは逸れますが、準備とはこういうこと、ということもお勉強できますね。
あくまで、朝余裕があれば、という条件付きですが、こんなところにもことばの世界を広げるチャンスは存在しています。
4.大人が教えたいことよりも、お子さんが感動していること
教えたいからと言って、一方的に大人の思いを詰め込んでもあまり良くないこともあります。
4-1.教えたいことばを一方的に教えても身につかない
ことばを教えたいからといって、躍起になって教え込もうとすると逆効果になることもあるかもしれません。
大人も同じかもしれませんが、知りたいと思ってもいないことについてひたすら説明されたら、
「あ〜、早く終わらないかな…。」(心の中で)
となりませんか?
知りたいと思っていないことをひたすら話されても、興味が持てないし、飽きてくるのは大人も同じ。
大好きなお父さん、お母さんの話だとしても、お子さんならなおさらではないでしょうか?
お子さん自身が、お話ししたい!と思うようになってほしいという観点からも、大人がひたすら喋り続ける、というような状況は回避したいところです。
4-2.お子さんが感動している時が、一番ことばを習得しやすい
お子さんが興味を持っている、感動している時に、その状況に合うことばを添えてあげる、というイメージでお話しすると、効果的です。
何かを発見した、面白いものを見つけた、という時にお子さんはそれを教えたくて、お父さんお母さんに話しかけたり、指をさして何か訴えたりするのではないでしょうか?
そういうタイミングで、ちょうどいい言い方を教えてあげると、
「あ、そういう風に言うと伝わるのか!」
とお子さんが気づいて、次に同じような場面に出会った時にお話しできたりします。
おこさんの言い間違いや、曖昧な表現を拾って、正しい言い方に直して返してあげることで、その状況にあうことばを身につけるお手伝いをしてあげることができます。
かと言って、無理に言い直させたり、間違いであることを指摘したりはしなくていいです。そうすると、お勉強になってしまってお散歩そのものが楽しくなくなってしまうかもしれません。
その場で覚えなくても、同じような場面を繰り返し経験することでことばを身につけていきます。長い目で見るのも大事ですよ♪
お子さんが、特に反応しなくても、また同じ言い間違いをしていても、その都度ちょうどいいことばを伝えてあげる。添える、というイメージが大事です。
4-3.お子さんの見ているところ、発信を逃さないのが大事
これらこれまでの内容を実践するには、お子さんの言動、興味感心などをよく観察するのが大事です。
お子さんが何に気づいて訴えているのか?どんなことに興味があるのかがわかると、より効果的にことばを伝えてあげることができます。
お子さんが、道端のたんぽぽに気づいて、
「パパ!あれ!」
と言ったとします。
その時に、お父さんが、
「あ、ワンワンいたね♪」
と、反対側を散歩している犬のことを話すと、なんともちぐはぐになってしまいます。
お子さんの言うことや、目線、指を刺した方向をよく見て、時にはお子さんと同じ目線に下がってみたりしてあげると、お子さんの見ている世界がわかるかもしれません。
とは言っても、特にまだおはなしがおぼつかないお子さんの言うことを100%理解するのは、おそらく不可能です 笑
お子さんの思いとズレていたからといって、そこまで気にすることはありません。まずは楽しく会話しましょう♪
5.まとめ
いかがでしたか?
まずは散歩自体を楽しくすることが第一です♪そこにオプションとして、ことばを広げてあげることを意識すると、お散歩を通して、お子さんのことばの世界をちょっと広げてあげることができます。
目に写るいろいろなものが全て教材になるのが散歩の魅力です。同じものを見たとしても、見方を変えればいろいろな表現に触れることができるので、お父さんお母さんも、景色を楽しみながら感じたことを、お子さんと楽しくお話しできるといいなあと思います。
そのためには、大人が一方的に教え込むのではなく、お子さんが興味を持っていることに対して、適切なことばを添えてあげる、という意識が大事です。
お子さんをよく観察して、どんな気づきや興味をもっているのか気づくことが大事です。
ぜひ、日頃の散歩に一工夫加えてみてはいかがでしょうか?